マスコミ界も品不足
久しぶりにブログをアップします。
日本が大変な事態になっている時に呑気でお気楽な(テーマが主旨の)ブログを更新する気にもなれず(◎-◎;)
しばらく休憩させていただこうかと思っていたのですが・・・
かなり驚いたことがありましたので、ご報告いたします。
こちら、テレビ業界で普段我々が使用しているテープです。
SONYのHDCAMと言いまして、HD化が進む中、主流となっているテープ。
収録時間の短いものは6分から長いものは124分まで色々とあるのですが、
取材に持って行くのは、大抵この40分か30分間収録できるタイプです。
テレビ業界の現場スタッフにとっては無くてはならぬ必需品。
家庭用のホームビデオで一般に使われるテープ
(写真はSONYのminiDV60分)と比べると
かなり大きく、もちろん値段は桁が一つ違うというプロ使用の
高級なテープです。
なんと!驚くことにこのプロ用高級テープが、今、在庫切れで大変なことになっているんです!!(@_@;)
と言うのも、このテープを製造しているSONY系のメイン工場が宮城県多賀城市(仙台塩釜港の近く)にあり
この度の地震と津波で大きな被害を受け、生産停止状態となり再開のめどが立っていないらしいのです。
さらに、拍車をかけているのは、この事を知ったテレビ局がこぞって「買い占め」に走ったからと言われています。
もしかして「買い占め」ではなく、「在庫切れになりそうだから、いつもより少し早めに・多めに購入しただけ」
なのかもしれません。
テープがなければ仕事にならないので、確保しておく必要がある!というのは当然です。
でもそれって・・・
東京のスーパーやコンビニでお米やインスタント食品、ペーパー類などが消えてしまったのと同じではないでしょうか?
別に買い占めようと思ったわけではなくても、いつもより多めに皆が買って、その上生産が追いつかないのなら
需要が供給を上回るのは当然ですよね?消費者心理としては、当たり前の事なかもしれません。
でも、ニュースでは連日
「皆さん冷静になって、買い占めをやめましょう」と繰り返していたテレビ局自身が結果的には同じようなことをしているのが
悲しいです。
日々、仕事に追われる中、忘れては思い出し、忘れては思いだし、ですが・・・
テレビのモラルが問われ、若者のテレビ離れが進む昨今、我々マスコミに関わる人間は、
もう少し自分たちの言動に責任を持ち自戒すべきだと、今回のテープ不足騒動で再認識させられました。
因みにこちらは、違うメーカー(maxell)のHDCAMテープ。
今回、SONYが品切れになって初めて見ました。
(ラベルの色が暖色系で目新しい(*_*))
工場が被災したのでは無いけれど、このmaxellも現在品切れ状態だそうです。
日本もアメリカも普段の放送業界ではほとんどSONYのテープが使用されていて
他社メーカーの生産体制では追いつかないそうです。
増産計画中ではあれど、東京の局が予約をしてしまって
しばらく出回らないという噂もあります。
(と書くと益々、買い占めを煽るようですが、そうではありません)
参考までに中身はこんな風→
小さな制作会社や技術会社、ポスプロ(編集スタジオ)などのプロダクションは、
テレビ局と違って普段からテープのストックをさほど持っていないので、
しばらくニューテープは手に入らず、かなり困っている状況です。
仕方がないので、過去に収録したSONYのHDCAM(30分または40分)テープを
別のテープにコピーして保存し
それをワークテープにまわして収録用にしようと考えています。
そうしたワークに回せるテープも大所帯のテレビ局であれば
探せば沢山出てくると思います。
できれば局の皆さんも冷静な対応と節テープ(テープの節約)して頂きたいです。
このブログを見て下さっている方々の中には、プロダクションの知人だけでなく
テレビ局の知り合いも沢山おられますが、自戒の念も込め、敢えて苦言を呈したいと思いました。
最後になりましたが・・・この度、被災された多くの皆さまには、一日も早く平穏な日常が戻ることを願ってやみません!