Archive for 4月 29th, 2010

4月 29

長谷川等伯 in KYOTO

敬愛するI先輩のお勧めで、桃山時代の天才絵師HASEGAWA TOHAKU 長谷川等伯
没後400年を記念した特別展覧会へ行ってきました!

目的地は、京都国立博物館

おけいはん(『♪京阪乗る人、おけいはん』で関西では定着しつつある京阪電車のイメージキャラですが、京阪電車の意味で使用)で、七条へ。







京阪電車の良いところは、駅を出てすぐに鴨川があり→
「あぁ〜、京都に来ましたぇ〜」(ええ加減な京都弁)
と感じることが出来ること。

京都国立博物館がある東山七条周辺は、10年ほど前に歴史番組で「秀吉ゆかりの地を巡る」ロケに来た時以来かも。。。




豊臣秀吉ゆかりの豊国神社方広寺、それに

豊国廟(半端ない階段を昇らないと太閤さんのお墓には辿り着けないロケ隊泣かせの場所)があって、
まさに秀吉を魅了した絵師長谷川等伯 の展覧会にはうってつけの場所ではないですか!!




現地へ赴くまでのアプローチには
京都らしいお店がポツポツと点在
こういうところが京都人気の秘密 ♪
なんやろなぁといつも思います。



ガイドブックでもお馴染みの「わらじや」や「甘春堂」→





今回はなんと!無料チケットをゲット〜!

『展覧会へ行こう!』 というサイトで当選したのす。

もちろん自腹でも絶対に行こうと思っていたので、めちゃ嬉しい〜
(※お得情報の詳細は後述)


「是非、観に行った方が良い」と勧めて下さったI先輩は
先月開催していた上野の東京国立博物館へ行かれたのですが
東京での開催が終了間近だったためか平日にも関わらず
入場するのに90分待ち!(万博のパビリオン並みですやん!?)で
ゆっくり観られなかったんだそうで
「絶対に早め(GW前)の平日に行くべし!」
との仰せに従い、ギリギリ昨日28日に滑り込んたのですが・・・。




やはりスゴい人気。(◎-◎;)

げーっ110分待ち!? うーーん、普通なら帰るところですが、無料チケットもあるし、

せっかくカメラも持ってきてるしなぁ・・・

こりゃ気合い入れて並ばなあかんということで、日除け傘を借り、自販機でドリンクを購入して、
腰を据えることにしました。



↓最後尾は一体どこやねん!?
というくらい長蛇の列がうねうねと大腸のように続いて、道程はかなり長そう・・・











でも、この日は最高にぴーかん(=快晴)で空気が澄んでいて=撮影日和!

というだけで、俄然やる気が出るのはかなりの職業病かも。(^_^;



↓↑爽やかな青空というだけで、こんなにも写真がキレイに ♪

ブログ用にオモロいネタはないかなぁ〜とか

行列があのポイントに行ったら良いショットが撮れそうやなぁ〜とか
(しかも行列はほとんど止まることなく常に少しずつ進んでいくので
移動しながら手ブレしないよう撮影するのに技が必要)

導入部分の文章はどうしよーとか考えてると意外に時間は早く過ぎ
実際には、90分ほどで中に入れました〜!








しかし勿論、館内も「芋の子を洗う」銭湯みたいになっていて、これはもう欲張って全部見るより、ターゲットを絞ってプライオリティをつける作戦で行こう!

と勿体ないけど小さい作品は飛ばして、「是非もの」をじっくり観ることにしました。けど当然人気作品の前は、人だかり。

特に大作は、全体像を見ようと思っても、人の頭だらけで下の方は見えず。(T_T)
仕方ないので、まずガラスにへばりついてドアップで目に焼き付けてから、
その残像をキープしたまま少し離れて全体像を見るという方法を繰り返しました。




印象的だったのは、やはり等伯の名声を不動にしたと言われる
国宝「楓図壁貼付」(JRのリーフレットにもなっている)
同じく国宝「松に秋草図屏風」

絢爛豪華でど迫力!!
秀吉が虜になるのは疑い無しというまさに桃山時代を象徴する華やかさ。


当然、館内は撮影禁止なので、以下リーフレットやポストカードの写真を載せときます〜(百聞は一見に如かず)


特に強烈なインパクトが残ったのは「楓図壁貼付」

楓の巨木の存在感に加え、なんと言っても目に焼き付いたのは、
色彩の鮮やかさ(何故か昔からカラフルなのが好き)。

楓は、赤・オレンジ・黄・緑と色とりどり。

萩や白菊の白い花、もちろんベースは黄金でさらに
後ろを流れる川の青さが鮮やかなこと。

私みたいに美術に疎い素人でも単純にキレイ〜!と目が釘付けになります。

ホンマに400年前に描かれたもの?と疑いたくなるくらい、モダンでゴージャス ☆(言葉の選び方が違うかも^_^;)

「松に秋草図屏風」は、
「楓図」に比べると色合いは落ち着いていますが、
金雲に見え隠れする力強い松と柔らかく描かれた芙蓉の白い花、
その葉脈や伸び伸びとした草の動きは生命力に溢れていました。


今回、等伯の金碧図で最古であると新発見された「花鳥図屏風」(まだ信春と名乗っていた頃の唯一の作)もそうですが、400年の時を経て色落ちてしまってもこの豪華さであれば、描き出された直後の瑞々しさや黄金の輝きはどれほど眩しかっただろうか?と想像すると、天下人・秀吉のみならず見る人全てが虜になるのも当たり前、と思わざるを得ません。

太く力強い直線的な岩や水の流れは幾何学的なデザインにも見え、
逆に繊細で柔らかな草花は生き物の生命力が感じられる。
このコントラストが絶妙!!

(是非、人混みをかき分けガラスにへばりついて観て下さい!)



そして、これらとは全く対照的なのがもう一つの国宝「松林図屏風」

等伯が晩年に傾倒していった水墨画の最高峰と評される代表作。
(この写真、ポストカードですが全然イケてません・・・^_^;)
正直、リーフレットなどで見ても、こんな地味な水墨画が何で人気ナンバーワンなん?と不思議に思っていましたが、実物をじーっと見ていると
ほんまに深い霧がゆ〜っくりと動いているみたい。
これは、紙の劣化?シミ?何れにしても何も描かれていない余白の部分も
霧の向こうに何かあるような気配が感じられて、
これが「描かずにあらわす」と言われる魔法の技法か!と納得。勉強になります。

これら以外に好きだったのは、「枯木猿猴図」(重文)や

「竹虎図屏風」「仏涅槃図」の動物たち。

なんとも愛嬌のある可愛らしい表情をしています (^^)

←この猿の親子。ふわっふわの毛並みで、触りたくなってしまうほど。

他にもまだ信春と名乗っていた若き頃に描いた仏画や千利休像などの肖像画、、、
と観るべきものは沢山。

もう少し、人が少なければゆっくりじっくり観られるんですけど。。。

とにかく一人の絵師が描いたとは思えない、そのバリエーションの豊かさには驚くばかり。

展示も時系列になっていて、石川県の能登七尾に生まれた等伯が30代に京都へ上洛し才能を開花、狩野派を脅かすほどの存在へと上りつめていくという生き様とともに作品の移り変わりを観ていくことができるのが分かりやすいです。時間があれば、90分並んでも後悔はしないと思います!(後悔しても責任は取りません・・・)





終わってからせっかくなので会場の向かいにある三十三間堂でも寄ってくかなぁと思ったら既に閉館してました。残念〜。


そのせいでもないですが、駅まで歩く間には

ついつい立ち寄りたくなるお店が・・・

京都に来ると、手ぶらでは帰れないのが悲しい性。(^^ゞ

京菓匠「甘春堂」でわらび餅(黒くて粘りが強いので本物のワラビ粉)と
京つけもの店で新生姜の漬け物を購入してしまいました〜(*^_^*)











この特別展は、5月9日(日)まで。

長ーい行列の暇つぶしに、交通整理係のおじちゃんに尋ねてみたところ、

この行列は初日から変わらないらしいです。

仮に朝一(9:30開館)狙いでも状況は一緒らしく一番に入りたければ8時頃に来て結局開館まで90分待ち。

ただGW中は閉館時間が通常の18時から19時に延長になるので

多少はゆっくり観られるかも。。。とのこと。

あくまで予想です。おじちゃんたちもあまりの人出に困惑気味。

京都国立博物館公式HPでは「只今の混雑状況」で現在の混み具合や待ち時間が
検索できます。でもこれで長い待ち時間が出てると、行く気が失せるので要注意!!


『展覧会へ行こう!』:では、関東・関西エリアの注目されている展覧会が網羅されていて、
色々な展覧会のチケットプレゼントがあります。簡単に応募できますので、ダメ元でお気軽にトライしてみては?

:-P